このブログでは、主に中小企業やスモールビジネスを展開されているオーナー社長、経営者、起業家などの方々に向けて情報発信していきます。
読者の方にとって「面白い」、「学びになった」、「興味深い」などと思っていただけるような内容を心がけて発進していこうと思います。
こちらでは、僕の自己紹介とこのブログの方向性についてお伝えします。
【私の経歴と専門分野】
「M&A戦略コンサルタント」、「M&A顧問」
僕が初めてご挨拶する方には、このように名乗ることが多いです。以前は、ビジネスデューデリジェンスや事業性評価なども行っておりましたが、今では、中小企業のクライアント様のM&A顧問としてお仕事させていただいています。
なお、このブログをご覧になってくださる方々は、「M&Aは初めてで全く知らないよ」という方も想定していますので、できるだけ専門用語は使わないか、使ったとしても分かりやすいように丁寧な意味や解説を添えるということを徹底していきます。
M&A?顧問?なに、それ?という方のために言うと、M&Aというのは、Mergers and Aquisitionsの略称で、合併や買収を指します。非常にシンプルにいうなれば、売りたい会社と買いたい会社をくっつける、それがM&Aです。
一般的に、M&Aというのは、①準備、②実行、③統合、の3つのプロセスがあります。最近では、中小企業のM&Aが盛り上がり、非常に多くのM&A会社が市場に参入してきていますが、実は、多くのM&A会社が手掛ける領域というのは、この②の実行の部分だけで、③統合を手掛ける会社も少しありますが、①準備を手掛ける会社というのは、世の中にほとんどありません。
しかし、②の実行というのは、「どうやってくっつくか?」という、いわゆる方法論で、③の統合も、「どうやってシナジーを出していくか?」という方法論です。一般的に、どうやってくっつくか?どうやってシナジーを出すか?というのは、そもそもどんな相手なのか?という前提であってこその話であり、この前提が誤っていれば、いくら方法論をこねくりまわしても成功は難しいはずです。
M&Aはよく結婚にたとえられますが、どうやったら結婚後に幸せになれるかばかりアドバイスしたり、コンサルしたりする会社はあるのに、そもそも「誰と」結婚したら幸せになれるのか?という前提が最も大事なはずです。誰と結婚したら幸せになるか相手を知るとともに、自分のことも理解していなければなりません。
M&A戦略コンサルタントとは、そのようなM&Aのいわゆる根幹部分である戦略について、仮説を立てて助言したり、意見を述べてクライアント企業の買収のサポートをする、そんな仕事になります。
大企業なら、CFOやCOOといった役員が必ずいて、M&A戦略については経営企画部や経営戦略部といった部門とともにM&A戦略があるはずですが、中小企業やスタートアップ企業では、そのようなインフラを整えることは簡単なことではないはずです。
そこで、M&A顧問というように、主に中小・スタートアップ企業の顧問役としてM&Aの戦略を支援したり、個人投資家や起業家の方には、買収して会社を経営し、価値を高めて売却するという一連の資本取引を応援する、というのが僕の専門分野です。
【このブログを始めた理由】
このブログを始めた理由を書く前に、少しだけ僕のこれまでのキャリアについてお話させてください。
僕はもともと神奈川県出身で、「一人暮らしがしたかった」という理由だけで関西の大学を受験、そして進学しました。2006年に卒業して新卒で入社した某商社では、営業や法務、輸出管理とさまざまな部門をたらい回しにされ、ビジネスの基礎を横断的に幅広く学びました。
とはいえ、僕はもともと会社の経営企画や経営を数字で客観的に俯瞰できる会計に興味があったため、経営企画や経理部への志望が高かったのです。異動希望してもかなわない年が続き、30歳になる前に自ら会計事務所の門をたたき転職。そこで、念願の会計や財務の実務経験につくことができました。
しかし、そこの会計事務所は、現在でいうブラッ●企業で有名な会社でした。担当クライアントを20社も持っていたため、終電で帰れる日なんて年間で20日あったかどうか・・というほど、仕事に忙殺されました。たまたま会社の近くに住んでいたため徒歩で帰れたのですが、毎朝4時ころまで働き、3時間ほど仮眠して、また10時に出社するという日々を、ほとんどの年間、リアルに過ごしました。
とはいえ、僕は新米で入ったペーペーです。しかも、ずっとやりたかった財務や会計周りの仕事に就けたので、根性で1年半ほどやり続けました。来る日も来る日も仕事に追われ、朝帰りする毎日。しかし、いくら20代という若さでも、身体は正直で、不調をきたす毎日です。メンタルも限界。
そんな矢先、同僚が吐血して会社で倒れ、救急車で運ばれました。完全な過労でした。そんな姿を見て、別の同僚は退職したのですが、後日、勤務実態をエクセルでデータ化して、内容証明とともに会社に未払残業代の支払い請求をおこすなど、何かとトラブルが絶えない環境となり、僕自身も身体も心もボロボロな状態になりました。
さすがにそんな状態では命の危険さえ感じたため、1年半ほどでその会計事務所は退職し、続いて入社した会社がM&Aの会社でした。前職の会計事務所時代、僕がかかわってきた飲食のクライアントが銀行から資金調達し、M&Aで別の飲食を買収する様子を目の当たりにしていました。僕自身も財務コンサルタントとして、事業計画を書いたり金融機関からの資金調達にはかかわっていたこと、そしてもともと経営にもっと関わりたかった僕にとって、M&Aは経営にとって重要な選択の1つ。この世界に入りたい、と思っての転職でした。
ここから僕のM&Aのキャリアは続きます。途中、会社は変われど、基本的にM&A・経営コンサルといった世界の中で一貫しており、現在に至るまで12年ほど経過します。そのあいだ、大手M&A仲介やアドバイザリー系の会社も経験し、会社の規模・業種問わず、さまざまなM&Aを経験してきました。
さまざまなM&Aといっても、大手企業が行うM&Aと、中小企業が行うM&Aというのは全くの別物です。僕自身は、中小企業のM&Aの世界にどっぷり浸かっており、オーナー経営者の人生を賭けた人間模様や、泥臭くて生々しいリアルを感じるこの仕事が大好きです。
よくこの業界内で働く人の動機は、「後継者問題を解決できる社会的意義の強い仕事」と言いますが、すべての仕事には社会的意義があるはずです。コンビニでレジを打つ方、毎朝ゴミを片付けてくれる収集作業の方、今日食べたご飯粒を麦から精米してくれた方・・・・すべての仕事が社会的意義があります。
では、僕がこの仕事が好きで続けている理由。それが、「価値あるものをつなぎ留めたい。願わくば、復活させたい」という思いです。日本には、さまざまなビジネスや伝統ある産業があり、1つ1つ本当に素晴らしい価値があります。にもかかわらず、経営や方向性を少し誤ったばかりに、廃業したり、倒産するという事例がたくさんあります。そんな会社を1社でもなくし、むしろその会社や事業の価値を新しい会社との融合でさらに伸ばしたり、むしろ全く新しい価値として生まれ変わったりするさまを自分の手で作りたい。こんな思いがあります。
前置きが長くなりましたが、僕がブログを始めた理由も、こんな思いがきっかけです。M&Aというのは、やったことがない人から見れば、とても専門的で複雑ですし、なかなか中小企業が自社だけで取り組むというのにはハードルが高いトランザクションです。
新しい価値として生まれ変わる(僕の中で「リノベーションスタートアップ」と呼んでます)という中小企業が増えれば、もっと中小企業が活性化して日本が元気になる一端を担えればなと思います。
【お届けできる価値】
僕がこのようなサービスやコンサルティングをしていることで、もっとも目指していることは、「クライアントの企業様が自らの考えで、M&Aを実行できるようになる」ということや、「買収して起業、そして売却をする連続起業家を多数生み出すこと」です。
「クライアント企業様や起業家が自力でM&Aできるようになったら、僕の仕事や価値がなくなるのでは?」
ということを、ときどきご質問いただくことがありますが、クライアント企業様がそのような姿になることこそが、本来あるべき姿だと思います。僕の役割は、M&Aという手段をどんな企業でも選択肢の1つにできる環境を広げていきたいので、まったくM&Aを知らなかった企業様でも、レベルを一気に引き上げることをミッションとしています。
世の中のM&A会社の多くは、M&Aの実行プロセスだけを支援する会社が圧倒的に多いということは前述したとおりです。案件を紹介して、成約まで支援するのが彼らのサービス範囲ですが、本当に大事なのは買った「あと」です。
ただM&A仲介会社から紹介される案件を検討していただけでは、おそらく100社紹介されても、しっくり合う企業にはほとんど巡り合えないどころか、「こんなはずではなかった」というオチが待っている結果になります。
そこで、1社1社の経営課題を解決できるM&Aの戦略をしっかりオーダーメイドで作り上げ、同時にM&Aのノウハウを身に着け、自社のみで完結できる仕組みも作り上げるというところまでお手伝いしています。
【過去の成功事例】
ここまでお話して、僕がどんな実績や過去の成功事例を持ったのか?という話ですが、実は、恥ずかしい話、この世界に入った最初の2年間まったく成果が出なかった暗黒時代がありました。
最初の2年間近く、成約件数はゼロ・・・という当時は本当にどん底でした。同時期に入社した同期は、どんどん成果を出して出世し、給料もボーナスも出ているのに、僕は坊主街道(成約がゼロの人を「坊主」と業界では呼びます)まっしぐらでした。
M&Aの世界は完全なる実力主義社会です。僕はそれまで必死に仕事してきたつもりでしたが、周囲のレベルに全く追いつけていなかったのです。年収1000万円は当たり前、3000万円や5000万円稼ぐ猛者もたくさんいます。
このときの屈辱は忘れてません、忘れることはできませんね。『なんでうまくいかないんだろう』と本気で悩み、何度も逃げたくなったこともありました。
『仕事ができる者がM&Aは成約するのではなく、成約する人が仕事のできる人だ』
これは僕のいまだに尊敬してる某社長からのありがたい助言であり、訓戒です。僕はこの言葉を話してまらった某社長から、僕のダメなところ・反省すべきところをワードで何枚も書かれ、当時はきつかったのですが、この課題が僕を蘇らせてくれました。
仕事のできる人は成約してる人だという当時の社長の言葉を胸に、僕は営業しまくりました。土日はもちろん、夜もほとんど家に帰宅せず仕事しました。このM&Aという仕事は決して派手ではなく、実は非常に泥臭いです。
泥にまみれるという言葉通り、年齢もキャリアも過去の実績・経験も何も関係ない。ただ、ひたすら泥臭い実務を繰り返しました。
すると、少しずつ流れも変わっていき、とうとう僕の初成約がかなったのです。もう10年も前のことですが、今でも忘れることのできない第1件目は調剤薬局でした。地方のパパママ薬局1店舗という小さな薬局ですが、僕にとってはとても価値ある1件でした。
以降は、コツをつかんだことで、ソフトウェアやITコンサルといった情報通信、機械卸の専門商社、食品関係の物流運送会社、土木建築会社、自動車部品の製造や整備会社、不動産管理・仲介会社、など多数の業界で成約することができました。
1件目を取るまでの苦労というのは今でも苦しかった思い出ではありますが、あのときの某社長からのひと言や膨大な反省点を指摘された方などがあって救われました。それ以来、僕自身も自ら会社(コインランドリー)を買収して経営者として活動していたこともありました。
当時は会社員として本業が普段忙しかったので、コインランドリーというほったらかしてもキャッシュフローが入るビジネスは副業としてぴったりでした。今では売却してしまい、ある程度のキャピタルゲインを得ることができたので、このような事例やノウハウもお届けできるのかなと思います。
【今後の展望・目指す方向性】
さて、このブログでは、M&Aや資本取引、ファイナンス、中小企業経営、起業、事業性診断といったテーマを中心に発信していきます。
あくまで、僕のミッションは、M&Aまわりのこのようなテーマで、成長・発展していくクライアント企業様や起業家の方々を広めていきたいということです。
そのために惜しみない情報をお届けして、「学びになった」、「興味深い」と感じていただけるように、価値ある情報、役立つ情報を分かりやすくお届けしていきたいと思います。
たくさんの挫折や苦い経験、苦しい思い、悔しい気持ちも経験してきたからこそ、1人1人の起業家、クライアント企業に寄り添ったアドバイスや相談に乗っていきたいなと思っています。
それでは、よろしくお願いいたします。
2024/10/2 葵瑛士